皮膚からの経皮吸収により経皮毒の影響を受けやすい年齢としては、免疫能力が高い成人よりも、小児や高齢者の方が一般的に吸収率が高いと言えます。新生児や乳幼児などの小児は、皮膚の最表面に位置する角質層がまだ未熟で、簡単に化学物質を取り込んでしまう危険があり、さらに取り込まれた毒素を便や汗などを通じて排出する機能も完全ではないので、ベビー用品等に含まれる合成化学物質を長期間体内に滞納させやすいという特徴があります。
また、経皮毒の影響を受けやすい身体の部位としては、角質層の厚さが薄い目のまぶたや生殖器などが挙げられます。さらに、角質層が存在せず粘膜のみで覆われている口の中や、同じく角質層がないく大便が通る肛門も化学物質を吸収しやすい部位と言えるでしょう。
なお、経皮毒の悪影響を受けやすい条件として、年齢と部位のほかにも、化学物質の分子量が大きいものより小さいもの、化学物質自体の濃度が濃いもの、皮膚温度が低いよりも高いとき(たとえば入浴時)、角質層の水分量が多い場合、皮膚に傷があったり皮膚疾患を引き起こしているときなどがあります。
(参考文献: 「経皮毒」がまるごとわかる本 / 三笠書房,2005)